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オディッシーの衣装と装飾

演劇書『ナーティヤ・シャーストラ』(2世紀頃)や『アビナヤ・チャンドリカ』(13世紀頃)などによれば、舞踏・演劇など芸能に欠かすことのできないものとして、身体、声、表現と並んで「装飾・化粧・衣装」が挙げられています。芸能は、神様を迎え入れ、交信するためのものであったので、2時間もかかる化粧を施し、きらびやかな装飾品や衣装をまとうことは、単なる彩りではなく、神様のための舞に必要不可欠な要素でした。

【衣装】

オリッサ特産の、織りのサリー(現地では「バンダース」と言います)を使います。糸・糸を別々に絞って模様をつけながら染め上げ、組み合わせて織りこみ模様を形作るという高度な手法により、非常に繊細な曲線的な図柄が表現されています。
オディッシーダンスに使われるサリーのモチーフには意味があり、「蓮の花」は「柔らかさ」、「貝殻の笛」は「音楽」、「象」は「優雅な足取り」、「輪」は「平和」、「寺院」は「胸のかたち」、「ライオン」は「細いウエストライン」を表すとされています。
オディッシー用衣装の代表的な形には、ボトム正面が斜めになっているマハリ・スタイルと、扇形になっているゴティプア・スタイルがあります。

【装飾品】

他の古典舞踊同様、昔はオディッシーダンスのアクセサリーにはゴールドが用いられていましたが、オリッサが銀細工の産地であるため、現在は銀のアクセサリーに統一されています。オリッサのカタックで作られている銀細工は「フィリグリー」と呼ばれ、ダンサーは耳飾り、腕輪、指輪、首飾り、ベルトと、全身にアクセサリーをつけます。オリッサではもともと銀は産出されないのですが、古くからアフリカと交易があったため、銀細工が盛んになったといわれています。

また、足につける鈴はグングルといい、両足合わせて100個の鈴がステップとともに奏でる音は、そのまま踊り手を楽器にもさせています。
髪飾りはタヒアーといい、ソロの木の皮をかつら剥きにして乾燥させた発泡スチロールのような素材でできた造花で作られています。中央の円塔は、ジャガンナート寺院の形になっています。

【化粧】

目の周りには、「カジャル」といわれるアイラインで縁取りをします。カジャルはギー(精製バター)やひまし油を燃やして作られる煤に、さらにオイルを溶かして作ります。目の中にもオイルを入れると、重要な表現の一つである目の動きがさらによくなります。

額には「ティクリ(ティッカ)」といわれる赤い印をつけます。オディッシーでは赤い円の周りに白い点を打ち、太陽のかたち(太陽神スーリヤ)にすることが多いようです。
手の甲・指先、足の甲・指先には「アルタ」という花の色素から作られる赤い塗料を塗ります。赤は吉祥の色とされ、指先の動き(ムドラー)を強調したり、魔除けなどの意味があるといわれています。