Border Line Project

ABOUT

Border Line Project

インド八大古典舞踊のひとつで、かつてはヒンドゥー教の神殿内だけで神々のために踊られていたオディッシーというダンスがある。
その優美で力強いダンスは「生きた彫刻」と呼ばれ、その魅力にふれたマイケル・ジャクソンやマドンナも自身のMVにオディッシーダンスを登場させた。
そんなインドが世界に誇るオディッシーダンス界で、一人の日本人ダンサーが活躍している。
東京で生まれ育ち、インドを拠点に世界各地でパフォーマンスをおこなう舞踊家・小野雅子である。2021年にソロダンサーデビュー20周年を迎える彼女は、これまでのキャリアを集大成する新プロジェクトを立ち上げた。

その名は「Border Line Project」。

Border Line Projectは、彼女が生まれ育った日本と人生の約半分を過ごしてきたインドの踊りや光にまつわる女神の神話から着想を得て、舞踊とファッションショー、音楽、現代のテクノロジーを駆使した舞台演出などが組み合わさった、これまでにないステージを同時代の表現者たちと共に創り上げるプロジェクトだ。
そして2021年夏、その最初の成果として公演「Border Line in TOKYO」が世に放たれる。 東京の地で生まれるあらたな神話に乞うご期待。

“Border Line”に込めた思い

神話の昔の日本では、太陽神であるアマテラスが天岩戸に隠れ世界が闇に閉ざされたとき、 人々にふたたび光をもたらしたのはアメノウズメの踊りだった。
神楽のはじまりといわれるこの物語は、“踊り”のもつ本質的な力を教えてくれる。

一方、インドにもアメノウズメとおなじく世界に光をもたらす女神がいる。
夜明けの光や明けの明星を象徴する暁の女神・ウシャスだ。
暁は、夜でも昼でもない、境目の時間でもある。

世界にはさまざまな“境界線=border line”が横たわっている。
他者との境界線。国と国との境界線。善と悪の境界線。
人種やジェンダー、政治信条や所得格差による境界線もある。
それらの上でさまざまな苦しみや悲しみ、葛藤などが生まれている。

人間自身が作り出し、とらわれている境界線の存在を受け止め、
それらを超えていくことが、いま必要とされている。
そして、踊りにはさまざまな境界線を飛び越え、人々に光をもたらす力がある。

世界中が暗く閉塞したムードに包まれているいまこそ、
踊りの力によって “境界線=Border Line” を乗り越える光をもたらしたい。
そんな思いが「Border Line Project」という名には込められている。

KEY THEME

キーテーマ

「Border Line in TOKYO」の創作は、
次の4つのキーテーマを軸におこなわれる。

国籍、人種、宗教、年齢、ジェンダー、障がい、所得など、世界にはあらゆる境界線(Border Line)がある。「光」とは、そんなあらゆる境界線を超え、人々に等しく希望を与える存在であると考える。光を導く踊りの女神であるアメノウズメとウシャス。日印それぞれの女神の生まれた背景にヒントを得ながら、世の中を照らすコンセプトを創作する。

キーワード:アメノウズメウシャス

五感

オディッシーダンスは身体全体の動きはもちろん、音に合わせた目や手の動きも重要とされ、踊り手は「五感」を研ぎ澄ますことが求められる。身体や感覚は人により千差万別である。それぞれの個性や才能を生かして、感覚を刺激し合い、互いに学びながら、新しい世界のとらえ方や動きを探っていく。

キーワード:動き視覚

精神

マインドフルネスが注目を集めるなど、「精神」は私たちの存在と深く結びついていることがテクノロジーの発達の一方で再認識されている。神話や信仰は、人のこころのあり方を見つめ、形あるものとして表現したものだ。神話や信仰、哲学などをヒントに、インドと日本の精神を探究・吸収しながら、あらたな表現方法を模索する。

キーワード:自然神話信仰

文化と技術

古くから継承されてきた「伝統文化」や「伝統工芸」が世界中で見直され評価を高めている。また、「最先端のテクノロジー」は人々の暮らしを便利で豊かなものにするだけでなく、あらたなアートの表現方法を可能にしている。そうした古今の文化や技術の融合により、あらたな舞台表現を創出する。

キーワード:伝統先端テクノロジーファッション
STORY

ストーリー

太陽の光を失った地球は闇に呑み込まれ、長く冷たい眠りの底にあった。
地球を覆った暗闇は、Border Lineとなり、あらゆるものをかたく拒んだ。

一方で、幾億光年も離れた宇宙の彼方では、新たな存在が生まれつつあった。
その存在は二つの記憶をもっていた。
踊りの力によって地上に光をもたらした日本の女神・アメノウズメ。
太陽に先立って東天に現れ、暗黒を払って生きものを目覚めさせたインドの女神・ウシャス。

二つの記憶を宿したその存在は、不思議な音の波に導かれるように、地球へと引き寄せられていった。
地球と外界とを隔てるBorder Lineは、彼方からの来訪者の前に融解していく。
そして地球はしずかに目覚めだす。
地上にも、水中にも、ふたたびいのちがうごめきはじめる。

地上では、ひときわ大きくどっしりとした一本の木が、うねった枝を大空に向けて伸ばしていた。
そこへどこからともなく一羽の鳥がやってきた。
かがやく、小さな、まっしろい鳥だった。
たわむれるように大木の周囲を飛び回った鳥は、ついに一本の枝に舞い降りた。

その瞬間、暗闇は晴れわたり、夜明けの時が訪れる。
光と闇のあわいに立つ、あらたな女神の誕生だ。
夜明けを讃える歌がこだまし、地球は祝福につつまれる。

STAGE

トライアル公演

「Border Line in TOKYO」の原型となるのは、2019年12月にインド・オディシャ州でおこなった公演「Border Line (in India)」である。
オディシャの伝統工芸であるイカット(絣)のサリーをあしらった華やかな衣装のファッションショーとさまざまなジャンルのダンス、さらには歌唱・演奏やプロジェクションマッピングが融合したそのパフォーマンスは、オディシャ ・ビエンナーレ2019の演目として披露され喝采を浴びた。

ORGANISING COMMITTEE

Border Line in TOKYO 巡礼 
実行委員会

  • 委員長
  • 小野雅子
  • 委員
  • 入柿秀俊
    小山奈々子
    新倉昭彦
    マナス・ダス
    小林三旅
    沼上純也
    井本由紀
    大西由美
    小西謙作
    スマラン・モハンティ
  • 一般社団法人 ムドラー・ジャパン
    ムドラーファンデーション(インド)
    株式会社ルーシーケイ
    株式会社ホットスタッフ・プロモーション